アスベストの検査について

アスベストとは、天然にできた鉱物繊維で「いしわた」や「せきめん」とも呼ばれているものです。綿のように柔らかい形状で耐熱や耐火性、防音性や絶縁性など数々の優れた性質を持つことから、世界中で多くの建設資材や電気製品、家庭用品や自動車などに重用されてきました。しかし、空中に飛散したアスベストの繊維が呼吸時に肺に吸い込んでしまうと、肺線維症や中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを引き起こす可能性があると指摘されるようになりました。20世紀後半になると健康被害との関係性が科学的に解明されていき、アスベストの使用の規制がされるようになり、現在ではこれを含む製品の輸入や製造、使用が全面的に禁止されています。

過去の建築物で使用されている建材には使用されてきたことから今でも石綿が使用されている場合があります。法の改正に伴った規制強化によって、工事前に対象の建築物に石綿含有建材が使用されているのかいないのかをしっかりと検査することが義務付けられました。アスベストが含まれているかどうかを調査する定性分析、含有量を調査する定量分析のほか、大気環境中や室内空気中の濃度の検査を行うことが一般的です。また、石綿が使用された可能性のある建物の解体はこれからがピークを迎えることが指摘されており、それにともない排出量も2040年頃までピークを迎えると考えられています。

人々が安全に暮らせるためにも検査は必須であり、結果報告は公的機関への提出が必要であり、非常に高い技術と専門性が要求されることも特徴です。

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